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監修:豊岡 示朗(トヨオカ ジロウ) 大阪体育大学教授、ランニング学会副会長大阪国際女子マラソンのテレビ解説を25年間。ホノルルマラソンは15回完走。
ランナーに必要な食事とは
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マラソン大会出場に向けてトレーニングを始めたら、普段以上に食事には気を遣いたいものです。食生活の基本は栄養バランスのとれた食事を1日3食規則正しくとることです。1日30品目の食品を摂取することを目標に、献立としては、ご飯やパン、麺類など炭水化物中心の主食、肉や魚などタンパク質中心の主菜に加え、野菜・きのこ・いも・海藻類などのビタミンやミネラルが豊富な副菜、さらに乳製品、果物を摂ると理想的です。

トレーニング量が増えてきたら、エネルギー源となる炭水化物を多めにとるほうがいいのは言うまでもありませんが、併せて、タンパク質やビタミン、ミネラルも積極的にとりましょう。タンパク質は筋肉をつくるうえで欠かせない栄養素です。ビタミンやミネラルは身体の調子を整え、骨などの身体づくりに関わっています。トレーニングをしていて、すぐ息切れしたり、疲れやすかったりするときには長距離ランナーに起きやすい鉄分不足を疑ってみましょう。鉄分は青魚、レバー、肉、ひじき、ほうれん草といった食品に豊富に含まれています。一緒にかんきつ類などビタミンCが豊富な食物をとると吸収が良くなります。

トレーニング前後の食事のとり方
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トレーニングをするとき、満腹状態だと胃に負担がかかります。かといって空腹のまま走るとエネルギー源が不足して低血糖になり、気分が悪くなったり、フラフラしたり、身体が思うように動かないなどの症状が現れることがあります。朝起きてすぐに走るときはバナナや飴などの甘いものを少量でいいから口にするといいでしょう。

ランニング前の食事は2~3時間前までにすませるのが基本です。内容は炭水化物中心にして、消化に時間のかかる脂肪分の多いものは避けます。ランニング前の食事としておすすめなのはおにぎりです。ただし、食べすぎは腹痛の原因になるので、量は加減しましょう。走る直前になって空腹でどうしても力が出そうにないというときは、市販されているエネルギー補給用のゼリー飲料をとれば胃の負担が軽くてすみます。

トレーニング後の食事も大切です。走り終わった直後から、疲労した身体の回復と修復は始まっています。消費したエネルギー源を補給すると同時に、身体をつくるタンパク質も忘れずとりましょう。トレーニング終了から約30分以内にタンパク質を摂取すると、傷ついた筋肉の修復が促されるので、サプリメントのプロテインを利用してもいいでしょう。また、トレーニングをした日の夕食には肉や魚を食べ、タンパク質や鉄をしっかりとりましょう。

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