AS A RUNNER ランナーで参加

大会前のメディカルチェック

第5回大阪マラソンの救命事例から

昨年の第5回大阪マラソンは、絶好の晴天に恵まれ、午前9時スタート時に気温19.0℃・湿度39.0%というコンディションの下、32,313人のランナーが参加して開催されました。

完走者は31,530人、完走率は97.6%と、いずれも過去最高の数字となり、コース沿道にも1,320,000人にのぼる応援者が駆けつけ、たいへん盛況のうちに、その幕を閉じることができました。

このようなコンディションではありましたが、レースの途中、参加ランナーのうち2名にそれぞれ心停止の事故が発生しました。いずれも、第一発見者のボランティアスタッフをはじめ、メディカルランナーや競技審判員などの大会スタッフ、大阪市消防局救急隊員の迅速かつ的確な胸骨圧迫(心臓マッサージ)の実施やAED(自動体外式除細動器)の使用などの、一次救命処置によって、幸いにもその命に別状なく回復され、現在ももちろんお元気にされているところです。しかし、一時は、発生現場のほか、大会救護本部においても、かなり緊迫した状況が展開するに至りました。

事例①

スタートして間もない頃(午前9時17分頃)、0.65㎞地点において70代の男性に起こりました。

事例①の詳細はこちら

事例②

スタートから2時間強が過ぎた頃(午前11時14分頃)、32.8㎞地点において30代の男性に起こりました。

事例②の詳細はこちら

メディカルチェックリスト

マラソンレース中のランナーの心停止は様々な状況で発生するものと思いますが、第5回大阪マラソンでは、スタート後わずかの地点のランナーに1件、また3時間を切るペースで走行するランナーに1件の事故が生じています。どんな場合にも対応し得る救護体制をつくりあげることが運営を行うものとして必要なことであるのは言うまでもありませんが、やはり、ランナー1人ひとりの日々の準備や健康チェックにもきわめて重要なものがあります。

マラソンは、手軽に楽しめる一方、高いリスクもあるスポーツです。

ぜひ以下のことに注意していただき、第6回大阪マラソンにランナーの皆様が元気に参加していただきたいと思います。

大会前

第一に、次のいずれかに心当たりがある方は、レース参加の可否について、かかりつけ医など身近な医師とよく相談することが必要です。レースに参加する場合は自己責任で判断ください。

  • 心臓病(心筋梗塞、狭心症、心筋症、弁膜症、先天性心疾患、不整脈など)の診断を受けている、もしくは治療中である。
  • 突然、気を失ったこと(失神発作)がある。
  • 運動中に胸痛、ふらつきを感じたことがある。
  • 血縁者に‘いわゆる心臓マヒ’で突然に亡くなった方がいる(突然死)。
  • 最近1年以上、健康診断を受けていない。

次の項目は、心筋梗塞や狭心症になりやすい危険因子です。当てはまるものがあれば、身近な医師に相談してみてください。

  • 血圧が高い(高血圧)。
  • 血糖値が高い(糖尿病)。
  • LDLコレステロールや中性脂肪が高い(脂質異常症)。
  • たばこを吸っている(喫煙)。

(日本陸上競技連盟医事委員会「市民マラソン・ロードレース 申し込み時健康チェックリスト」から抜粋)

大会当日

また、レース当日、次のいずれかに1つでも当てはまる方は、決して無理をせずにレース参加を中止するか、少なくとも慎重に臨み、レース中に体調に異状を感じることがあれば、勇気をもって棄権することも重要です。

  • 熱がある、熱感がある。
  • 疲労感が残っている。
  • 昨夜の睡眠が充分にとれなかった。
  • レース前の食事や水分をきちんと摂れなかった。
  • かぜ症状(微熱、頭痛、のどの痛み、咳、鼻水)がある。
  • 胸や背中の不快感や痛みがある。動悸・息切れがある。
  • 腹痛、下痢がある。吐き気がある。
  • レース運びの見通しが立っていない。

(日本陸上競技連盟医事委員会「市民マラソン・ロードレース スタート前チェックリスト」から抜粋)

ランナーの皆さんへ協力のお願い ~一次救命処置の方法を学ぶ~

そして、お願いです。心停止の場合、一刻も早くAEDの処置を行うことが何よりも肝心です。AEDは電源さえ入れれば、音声で使い方をガイドしてくれるのでだれでも簡単に操作できます。また、AEDを準備するまでの間、胸骨圧迫を絶え間なく行うと救命率はより上昇します。もしも、ランナーが心停止で倒れたとすれば、その時、一番近くにいるのは同じランナーである皆さんですから、ランナー自身が一次救命処置の技術をもつということはとても大切なことです。
大阪マラソンでは、心肺蘇生の中で最も重要な胸骨圧迫の方法とAEDの使い方を学ぶ「PUSH講習会」を随時開催しています。ぜひ講習会を受けて、その使用方法などにふれ、そして自分自身の身につけていくよう取り組んでみてください。
皆さん、ランナー全員がお互いに命を支え合える安心・安全なマラソン大会を共にめざしていきませんか。

いざという時のために ~ナンバーカードへの記載~

ランナー受付時にお渡しするナンバーカードの裏面には、①「緊急連絡相手」、②「既往症」、③「服用できない医薬品」を記入する欄が設けてあります。第5回大会の事故でも、この情報のお蔭で近親の方と速やかに連絡が取れました。あなたの命を守るために必要な情報です。お手数ではありますが、どうかこれらの欄はもれなく記して、その上で、安心してレースに臨むようにしてください。

ナンバーカード
※デザインは昨年のものとなっており変更になる場合がございます。

末永くマラソンを楽しんでいただき、第6回大阪マラソンに参加されるランナーの方々の完走を心からお祈りしています。